私自身は日本語教師を名乗っているわけですが、
「教壇に立って授業するだけが語学教師の仕事ではない」と思っています。
それは、大学を卒業して台湾で仕事をし始めた8年前から今まで
ずっと感じていることです。
外国語は学習したことを実地で使う環境に身を置くことで
実際に身につきます。
語学教師の仕事は「学習したことを実地で使う環境に身を置く」
機会を創ることだと思っています。
この考えは、外国語が堪能ではない方も正論であることは
お分かりいただけると思います。
そして、3年前に新たな考えを持ち始めました。
それは、
語学教師の仕事は語学力を伸ばすだけの仕事では足りない。
「外国語を使って日本と自国でビジネスができる人材を育成すること」が
必要だと感じるようになりました。
そこでわたしは、
「どうしたら学生は実地で外国語を使いながらビジネス力を
鍛えることができるだろうか?」という問いに対する答えを
模索し続けています。
「机上の空論」という言葉があるように、
座学で身に着けたことと、現場で実践で使うのとは同一ではありません。
「実際にやってみて体感する」ことで初めて
語学も仕事も身につきます。
弊社は、そのアイディアを具現化させるために活動しています。
実際、モチベーションが高くて行動力のがる学生であれば、
わざわざ私から何か言わなくても、
自分で情報調べて行動を起こしていきます。
でも、現実問題として、このような自発的に行動を起こせる学生は
ほんの一握りです。
行動に踏み切れない学生が大半です。
でも、面白いことにそんな「行動に踏み切れない学生」は、
今まで彼らが体感したことのない刺激を与えると、
彼は何かを感じ、行動を起こしていきます。
彼らが行動を起こさないのは、
ただ単に「情報を知らなかっただけ」なのです。
学生が日々の生活で出会う人は
小中高のときの友達、大学の友達、先生、家族親戚、
バイト先の人くらいではないでしょうか?
つまり、出会う人のジャンルが限定的なのです。
(社会人になってからも同じことが言えるのですが)
学生生活を送っていると、お仕事している人と出会う機会は
企業から大学に歩み寄ってこない限りは、ほぼありません。
学生は企業や社会のことについて触れる機会が少ないのです。
だから、社会のことがわからないのです。
これは学生自身に問題があるわけではなく、
そもそも出会いがないので「仕事」って何なのだ?ということを
体験したことがないから、学生は学校で勉強している内容が
仕事につながるかどうか、イメージができないのです。
だったらどうすればいいか?
学生のうちから仕事をしている人と関わる仕組みがあればいいのです。
学生生活を無意識に過ごしていると、
現役で社会で活躍している人に出会う機会はありません。
そこで、わたしたちから学生に情報を提供したり、
出会いの場を提供していきます。
学生のうちから社会人の方と関わることで、
社会で行われている活動にアンテナがはり、
学生の日々の行動が変わっていきます。
ここでポイントがあります。
ポイントは、
学生が社会人の方の協力を得て、
活動をゼロから企画して実行まで持っていく経験をさせることです。
学生が主体的に、他の学生の役に立つ活動を企画し、
社会人の方にヘルプのお願いをする機会を作ります。
「学生と社会人が接点をもって活動を行う」仕掛けとして、
弊社では
・台湾人学生を日本の企業にインターン生として派遣
・台湾人若手人材の日本での就職支援
・弊社でバイトを採用して、私の間近で仕事を見てもらう
・学生の活動企画のアドバイス
などの取り組みをしています。
社会人の方と触れ合うことで、
学生は卒業後のビジョンがおぼろげながら見えてくるようになります。
それが、日々の活動に変化をもたらします。
ついでに、さきほど弊社の取り組みとして、
「台湾人学生を日本の企業にインターン生として派遣、
「台湾人若手人材の日本での就職支援」と言ったので、
ここで誤解のないように申し上げると、
わたしの仕事は人手不足に対応するための人材紹介は一切していません。
外国語を武器にして、自国と日本をつないでビジネスを創出できる人材を育てています。
そういう「外国語人材を育成する」という想いを、
「インターン生や就職生の派遣」、「自社で人を雇って実際に
一緒にビジネスをしていく」という方法で具体的に形にしています。
日本のニュースでも企業さんからも、
「人材を育成してから日本に派遣しています」とよく聞く言葉です。
こうやって口で言うのは簡単ですが、
人材不足(いや、労働人口不足?)と叫ばれている昨今、
外国人人材を育成してから日本に送っている業者は
果たしてどのくらいあるでしょうか?
他社のことは知りませんが、
今後は弊社で実際に行っているトレーニングをビデオで収めて
公開していきます。
教壇に立って教えるだけでなく、
学生が自ら体感して成長していくきっかけや環境を学生に提供することが
語学教師として、現代の世界では大切ではないかと感じています。
そして、学生自身も平和で選択肢が多数ある生活を過ごしています。
学生自身の立志の時期は、30年前に比べると遅くなっています。
大学生のうちから立志する人間を輩出することが日台社会発展につながると
信じています。
そして、心で感じていることは、感じて終わりではなく、
わたしが率先して「実際に行動」しなければ人は納得しません。
実際にわたしが行動することで、学生にも伝わっていきます。
教師も学生も「行動」をすることで
成長を遂げていくことが、
現代の語学教師の仕事には必要でないかと思います。
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